90年代アニメが大好きなもものすけにとって、”平田秀一”さんは数々の作品のエンドクレジットで目にする特別な存在だった。
現在は草森秀一というお名前で活動しているとのこと。
そんな草森さんが初めて画集を出したと知り、購入してみたのであるが、もものすけはその中の”アナログ原稿”に衝撃を受けた。
この記事では、なぜそのアナログ原稿がそんなにも衝撃的だったのか、もものすけ目線で語ろうと思う。
草森秀一(旧名:平田秀一)さんとは
草森秀一さんは、アニメーション美術監督をされている方だ。
1980年代から、数々の作品で背景美術を手がけてきた伝説的な存在である。
関わった主な作品には『機動警察パトレイバー』、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』、『イノセンス』、『PSYCHO-PASS サイコパス』、『メトロポリス』など錚々たる名が並ぶ。
そんな草森さんが、キャリア初となる画集を出版。

その発売タイミングが、押井守監督の映画『イノセンス』公開20周年記念で4Kリマスター版劇場公開と重なっていたこともあり、もものすけの興味は爆発。
迷うことなく購入した。
“衝撃のアナログ原稿”その正体
画集の中でも特に、もものすけが度肝を抜かれたのは『イノセンス』終盤に登場する街の俯瞰図――そのアナログ原稿だ。


おそらくこの絵は鉛筆で描かれている。まだデジタル処理されていない“生”の絵。
細部に至るまでびっしりと描き込まれた線が、画面に張り詰める緊張感と圧倒的な密度を生み出していた。


まさに圧巻の一言だった。
ちなみにデジタル処理された絵がこちら。

もちろんデジタル処理後も『イノセンス』の雰囲気があって大好きだが、鉛筆で描かれたアナログ原稿は迫力が段違いに感じる。
なぜそのアナログ原稿が異次元なのか
もものすけが衝撃を受けた理由は、
「ほんとうに、細かいところまで実際に線で描いている…!」という事実がそのまま目に飛び込んできたからだ。
完成されたカラーイラストや、デジタル加工された絵はもちろんすごい。
ただ、凄みが何かに包まれていて、直接的に伝わりづらい。アナログ原稿は、その“フタ”を外した生のパワーを放っていた。
もものすけも、日常的に鉛筆で落書きをしたり、絵を描いたりする。
ただ、線の太さや角度が全く安定しない。
自分の描いた線と、プロの線の違い――それがこの原稿にははっきりと現れていた。
「こんなにも自由自在に線を操れるのか…」と、ただただ呆然とした。
実在しない世界を、鉛筆一本で確かに“そこにある”かのように描けるその技術は、もはや魔法としか言いようがなかった。
背景美術の魅力を語る名場面選
これまでアナログ原稿の魅力ばかり語ってきたが、もちろんそれ以外にも個人的にワクワクする背景ががいくつもあった。
『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(監督:押井守 原作:士郎正宗)
素子のアクションに合わせて水しぶきがあがるのが美しくて、好き。
と、当時付き合っていたバク夫とその友人に熱く語ったらドン引きされたのも、今ではいい思い出。


もものすけさん
変わってるね~・・

どうして??!!
すごくいいシーン
じゃん・・
『イノセンス』(監督:押井守 原作:士郎正宗)
バトーさんがワンちゃんの好物を買ってあげるお店!!

さらに、バトーさんの車の音に気づいたワンちゃんが飛び起きてソファからずり落ちるシーンも最高!

『劇場版X-エックス-』(監督:りんたろう 原作:CLAMP)
なつかしすぎる…!



もものすけは当時、フィルム・コミックでこの絵を何度も眺めていた。
公開当時は劇場に行けなかった悔しさも含め、思い出が蘇る。
背景美術の色使いと構図がとにかく美しく、今見てもため息が出る。
まとめ:アナログ原稿多めの画集もお待ちしています
カラー絵やデジタル処理済みの絵ももちろん凄い。
見ごたえ十分だけれど、アナログ原稿はもっとすごい。圧倒される。
アナログ原稿が持つ“描く”という原初的な行為が凝縮された密度は、もものすけにとって別次元だった。
欲を言えば、アナログ原稿をもっともっとたくさん見たかった。
もものすけは『プロフェッショナル 仕事の流儀』系の、「プロがどうやって描いてるか」を見るのが大好物である。
下書き→色付け→デジタル仕上げの過程に心を奪われる。この画集も、そういった“制作の過程”が垣間見えるものだった。
もっと分厚くなっても、高くなっても買うから、アナログ原稿多めの続編画集をぜひ…!


今でも既に分厚い!!
大満足!!
想像しながら眺めていたら、時間があっという間に過ぎていた!
幸せな気持ちになれた一冊だった。