CLAMP(クランプ)って聞いたことはあるけれど、『聖伝』は知らない——そんな方でも大丈夫。
この記事では、CLAMPのデビュー作『聖伝』が、なぜ今でも心に残る”特別な作品”なのかを、もものすけの実体験を交えて紹介する。
思春期に出会った作品は、時を経ても心の奥に残り続けるものがある。
もものすけにとって、それが『聖伝』だった。
10代の頃、揺れ動く心に深く響いたその世界観と美しさを、あらためて今の視点から振り返る。
『聖伝』(CLAMP)とは?── デビュー作の神話ファンタジー
『聖伝』は1989年から1996年にかけて『月刊ウィングス』(新書館)で連載された、神話ファンタジー漫画で、壮大な天界の戦いを描いた作品である。
そしてCLAMP先生のデビュー作でもある。
CLAMP先生と言えば『カードキャプターさくら』や『XXXHOLiC』などを連想する方も多いと思うが、その歴史は『聖伝』から始まったと言える。
初めて読んだ『聖伝』── 少女だった私の出会いと衝撃
地元の本屋で、平積みされた10巻(最終巻)と出会ったときの衝撃は今でも鮮明に覚えている。

当時『レイアース』を『なかよし』で読んでいたもものすけにとって、CLAMP先生の絵には慣れがあったはずなのに、『聖伝』はまったく違う“大人の世界観”を感じさせた。
難解な漢字に一部だけのフリガナ(涙)、読めない単語に挑みながら、何とかCLAMP先生の世界に近づきたくて夢中でページをめくったものだった。

10代の自分には読めない単語が多かったけど、CLAMP先生に近づきたくて、背伸びして食らいついた記憶がある。
きっとここで覚えた漢字も多いと思う。
CLAMP先生きっかけで、田中芳樹先生の『創竜伝』にも手を伸ばした。
挿絵の美しさに惹かれつつ、”小説を読んでる自分スゴイかもっ・・!!”と読んでいることを誇らしく思っていた。
『聖伝』の魅力とは?── 絵の美しさとキャラクターへの共鳴
『聖伝』がもものすけにとって“特別”である最大の理由は、絵の美しさ。それに尽きる。
”え、それだけ?”って思われるかもしれないけれど、本当にそう。


見て!!
単行本を並べただけの
写真が
こんなに美しい
なんて!!
中学生時代のうまくいかない日々、その中で『聖伝』のカバーイラストや漫画本編は本当に心の拠り所だった。
カバーイラストなんて特に美しく、もものすけ的には何時間でも眺めていられる。
布がなびく表現

剣や装飾品のきらめき

黒髪のベタの美しさ。

6巻のカバーイラストなんて特に、水彩の画材を使ってるように見えるけど、どうしてこんなに美しい表現ができるのか、不思議で仕方がなかった。

当時中学生のもものすけは美術部で、同じような表現を目指して絵を描くも、再現できるはずもなかった。
当時の自分にとってはCLAMP先生のイラスト自体が魔法のようだった。

そして絵が美しいだけじゃなくキャラクターが魅力的。全員に感情移入していた。
みんな美形で!強くて!カッコいいんだもの。
だから9巻10巻は号泣しながら読んでた。
永遠の憧れ『聖伝』── 30年後も心に残る幻想世界
作品の世界観——その完成度の高さが、中学生だったもものすけには“絶対に追いつけない憧れ”だった。
神聖で壮麗で、どこか手が届かない、だからこそ心に強く残った。
約30年ぶりに読み返してみた『聖伝』。
やはり10代の、心がいろいろと不安定な時期に出会った作品は、”心の支え感”が半端ない。
当時の気持ちがよみがえり、あらためてCLAMP先生に「ありがとう」を伝えたくなる、そんな特別な時間となった。
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