『ガパパ! : AKB48でパッとしなかった私が海を渡りインドネシアでもっとも有名な日本人になるまで』仲川遥香(著) を読んで

読書録

今回は仲川遥香さんこと、はるごんの著作である『ガパパ!』についてご紹介する。

筆者は英語を使えるようになりたくて少しずつ勉強している。
しかし継続が難しいし効果も見えなくて悩んでいた時に、語学学習に関するどなたかのブログを読んだ。
そして、はるごんが僅か4ヶ月でインドネシア語をマスターしたと知った。

本をとったきっかけは語学学習法を知ることだったが、それがかすんでしまうくらい、この本を読んで得るものが大きかった

さっそくその”得たもの”について、筆者なりにご紹介していきたいと思う。

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JKT48移籍後のことはほとんど知らなかった

はるごんがJKTに移籍して、その後、JKTを卒業後もインドネシアで芸能活動をしているのはニュースで知っていた。

しかし、JKTに移籍後、具体的に向こうでどのようなことをしていたのか、どのようなことがあったのか、全く知らなかった。

国内のAKBグループの活動であれば自然に情報が入ってくるが、インドネシアのニュースとなるとそうはいかないからである。

だが、遅くはない。
この本を読むことで、移籍後からJKTを卒業するまでの濃いエピソードを今からでも詳細に追うことができる

インドネシア語のネイティブもびっくりの流暢さ

もちろん、インドネシア語を知識ゼロ、google翻訳頼りの状態から4ヶ月で使いこなせるようになった経緯も学べる。(ぜひ第4章を読んでね)

その流暢さは、5歳から36年間インドネシアに住んでおりインドネシア語で教育を受けたネイティブの方も驚くレベルで、”すごいの一言です。次元が違います。天才です。”とべた褒めである。

JKTで2015年に行われた総選挙で見事2位に輝いた時の号泣スピーチである。
マジで何を言っているのかわからないが、もらい泣きした
どなたか親切な方、翻訳して下さい。

筆者が得たもの 生きるために必要なパワー

本全体から感じたのは、月並みな言葉で情けないのだが、はるごんの力強さ、悩みながらも立ち止まらず、確実に一歩一歩前に進んでいる、確実に歩みを進める力強さである。

そして、彼女が多くの人に愛される大変魅力的な人物ということも強く感じた。
AKB時代から、笑顔が可愛くて人懐っこい印象であったが、国が違ってもそれは変わらなかった

エピソード① インドネシアの三大風土病の全てに罹り見事回復したこと

生命力の強さ、これを特に強く感じたのは、はるごんがインドネシアの三大風土病と言われるアメーバ赤痢、デング熱、腸チフスの全てに、別々のタイミングで罹って入院したが、見事に回復して元気になったことである。

症状の描写もものすごかった。
読んでいるだけで元気を吸い取られてしまいそうであった。

言葉が通じない土地で、しかも病院なんて更に専門用語が多くて不安になりそうな場所なのに。

もものすけ
もものすけ

言葉に不自由しない日本で、うじうじ落ち込んでなんかいられないぞ!!
わたし!!

大げさでなく、力強く生きるパワーをもらえた

エピソード② 一度はメンバー全員からリーダー辞任要求を受けるも、見放さずに粘り強く対話し、関係を修復したこと

キャプテンになったチームTのメンバーに、”指導の仕方が厳しすぎる!”、”私たちはAKBじゃない、押し付けないで!”などとストレートに苦情を言われ、キャプテン辞任要求まで受けた

まるで弁慶がその最期、全身に矢を受けたような(本人談)ショックを受け、まる1日部屋の隅で膝を抱えて粉々になった心をかき集めながら考え続けた末、”辞任するのは簡単だ、でも、彼女たちを見放してはいけない”、と前を向き、チームのみんなと根気強く対話して関係を修復した

その直後のスラバヤ公演最終日、疲れてステージに体を投げ出しているはるごんに、メンバーたちがじゃれて乗っかってふざけている描写は、対話の前には考えられないほど心の距離が縮まったことが伝わってきて、本当にほほえましかった。

素晴らしいリーダーだと心から思った。
ショックを受けても逃げずに前を向いて、対話するってなかなかできない
筆者の場合は、辞任要求を受けた時点で”永遠の拒絶だ”と感じてしまい、二度と自分からは話しかけられないかもしれない。

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エピソード③ ジャカルタからスラバヤまで12日間、最終走行距離じつに1,000キロを自転車で走り切ったこと

日本で言うと、青森市から横浜市までが同じくらいの距離であった。

本人が”伝説をつくりたい”と言ってしまったがために始まった企画で、本人も途中で何度も後悔したらしい。
それでもやり切った

まさに満身創痍の状態で迎えた12日目、ゴールであるスラバヤのコンサート会場に到着した。
この時の描写が素晴らしくて、自分もその場で彼女のスピーチを見ていたかのように没入して読んでいた。
思わず感動して泣いてしまった。

自分が「必要とされる」場所を探そう

インドネシアでの大活躍は、はるごんだからこその力強さ、明るさ、前向きさ、しぶとさなどを存分に生かせる場だったからこそできたのだと思う。

求められているものと自分ができることがぴったりはまったのだろう。

はるごん以外の人、違うキャラクターの人が同じようにやっても果たして成し遂げられたのか?
はるごんだからこそできたことだろう。

”自分から神様に指をさされに行った”

プロローグにも書いてあったように、”自分から神様に指をさされに行った”結果、自分でつかみ取った栄光だった。

はるごんも、きっとAKB時代はあっちゃんや優子やまゆゆみたいな存在になりたかったんだと思う。
沢山悔しい思いをしていたはず。

でもそこで、”自分は所詮この程度か・・・”と妥協するのではなく、次の違う一歩を踏み出した
その先でも、沢山たくさん大変なことを経験しても歩みを止めない、前を見続けた

本当に大げさでなく、生きるための力をもらえた気がする。

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なにより、はるごんの明るさがいい

このように、筆者がこの本から得たものをいろいろと書いてきたが、なによりはるごんの明るさが読んでいて自然に伝わってきてよかった。

辛いエピソードが沢山書いてあったのに、明るさのおかげでそのつらさが軽減された。
心臓がキリキリすることもゼロではなかったが、読後の疲労感は少なかった。

どんな栄養ドリンクより元気をもらえる本です

AKBとしてのはるごんしか知らないあなたはもちろん、そもそもはるごんを知らない多くの人にも是非手に取って読んでほしい本である。

きっとどんな栄養ドリンクを飲むより元気になれる本だと、自信をもってお勧めします。

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